SENDAI for Startups! 2019 DAY 2 第二部

東北とフィンランドの学生が競い合う!東北最大級のアプリコンテスト

DA・TE・APPS!2019〜第二部 ゲームコンテスト〜

「DA・TE・APPS!」主催団体のひとつであるグローバルラボ仙台は、オウル市の「オウルゲームラボ」にインスパイアされて立ち上がった団体で、オウル市とは深い関係がある。

そうした背景から、午後から始まった第二部では、はじめにビジネスオウル日本担当コーディネーターの内田貴子さんから、仙台市と産業経済協定を結ぶフィンランドのオウル市の紹介があった。

オウル市は、世界的に著名な通信会社「NOKIA」の本社があり、フィンランドが5G通信技術の開発拠点を置くなど、無線通信で有名な地方都市だ。2019年はフィンランドと日本の国交樹立100周年という記念の年でもあり、今年のゲームコンテストには「DA・TE・APPS!」史上はじめて、フィンランドのオウル市から2チームが参加し、国の垣根を越えてゲームコンテストが開催されることとなった。

 

 

「ゲーム業界の新市場にどう向き合っていくか?」ゲーム業界の豪華ゲストが激論

コンテストに先立って開催されたトークセッションでは、ゲーム業界の最前線で活躍する審査員陣が登場し、「ゲーム業界の新市場にどう向き合っていくか」というテーマでディスカッションを行った。登壇者は、審査委員長でサイバーコネクトツー代表の松山洋さん、セガゲームズ執行役員の大橋修さん、コナミデジタルエンタテインメントの根岸豊さん、インフィニットループ執行役員の澤田周さん、フィンガーソフトCEOのテーム・ナルヒさん。モデレーターをインフィニットループの川口功さんが務めた。

「厳しい日本市場だけでなく、世界に目を向ける必要」

「NARUTO」や「ジョジョの奇妙な冒険」など、漫画原作のゲーム製品を手掛けているサイバーコネクトツーの松山さんは、最近になってブラジルなどので漫画原作のアニメが放映され始め、南米での売り上げが伸びていることを紹介。「コンシューマーゲーム市場」について、少子化の影響は非常に大きく、日本市場だけではビジネスにならないため、世界に目を向けていく必要があると語った。

「SEGA VR AREA」などを展開するセガゲームスの大橋さんは「VRゲーム市場」について「やったら楽しいけど準備するのが大変」と率直な感想を語った。VRゲーム自体の魅力・面白さは徐々に伝わりはじめているが、スマートフォンゲームに比べると遊ぶまでの準備にまだハードルがあり、ブームになるにはデバイス自体のブレイクスルーが必要になると持論を述べた。

盛り上がりを見せる「インディーゲーム」や「e-Sports」

2018年に個人が製作した「どうぶつタワーバトル」が大ヒットしたことなどを受け、注目される「インディーゲーム市場」について、松山さんは「海外では積極的に行われているものの、日本でまだまだ開発者が少ない」と実感を語った。大橋さんは「日本では、パブリッシャー(販売側)とスタジオ(制作側)ではパブリッシャーが強い文化があり、欧米ではスタジオがパブリッシャーを選ぶ文化がある」と指摘。かつては製作したゲームをパッケージ化して販売する必要があったが、現在はデジタルデータを直接配信することができる環境が整ってきたため、「日本でも、もっとインディーゲームが盛り上がって、スタジオがもっと強くなっていけばいい」と期待を口にした。

 

2019年の国体に競技種目として選ばれるなど、現在注目されている「e-Sports」については、「パワフルプロ野球」シリーズを展開するコナミデジタルエンタテインメントの根岸さんが、2018年のペナントレース終了後に「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」を開催し、好評を受けて2019年にも開催が決定したことを紹介。実際に野球をしない人たちにも楽しまれており、「e-Sports」の盛り上がりを感じているという。

 

地域で進むゲーム会社同士の連携

株式会社インフィニットループの澤田さんは、2018年に仙台のゲーム会社を集め「仙台ゲームコート」を立ち上げた。澤田さんは「仙台にはゲーム産業関連会社が10社以上あるにもかかわらず、その存在が広く認知されていない」という課題意識があり、同団体をハブに仙台のゲーム会社が協力し合うことで、ブランディングを高め、人材や案件の獲得を目指している。

澤田さんの団体紹介を受けて、松山さんは「ようやく始まりましたな」と笑顔を見せた。松山さんは、十五年前に「LEVEL5」など福岡県内に本社を置くゲーム会社35社を集め「福岡ゲーム産業振興機構」を立ち上げており、企業同士が協力する上で非常に役立ったのが「失敗の共有」だったと紹介。「前向きに話し合おう」といった切り口では話は深まりづらく、「あそこと仕事したら大変な目に遭った」といった「ひどい目に遭った自慢」の方が、結果的に企業同士の情報共有に非常に役立ったという。

フィンランドのオウル市のゲーム会社・フィンガーソフトのテール・ナルヒさんは、「フィンランドでも地元で働くことに幸せを感じている人は多い」と紹介した上で、地方で働くことの特徴について、良くも悪くも「首都に比べて競争が少ない」とまとめた。競合他社からの人材の引き抜きがないため、仲良く仕事ができるというメリットもありつつ、競争意識が首都で働く人材よりは低いという特徴もあるという。ナルヒさんは「今の時代はゲームのパブリッシュはどんどんしやすくなっているため、失敗を恐れないでトライ&エラーを繰り返そう」と学生に呼びかけ、これには登壇者全員が大きく頷いた。

 

東北の学生たちが、開発したゲームの魅力を競う「ゲーム部門」

第二部ゲームコンテストでは、ゲーム内容とプレゼンテーションの評価を競う「ゲーム部門」と、グローバルラボ仙台(GLS)の指導を受けて120円の買い切りアプリを開発してその売り上げ金額を競う「GLS for Education部門」の発表が行われた。

「ゲーム部門」では、応募のあった27チームのうち、一次選考を通過した7チームが登壇。ゲームのデモ動画と、作品の魅力をプレゼンテーションした。

カメレオンのキャラクターが、ボタンとアクションで世界の色を変え、ブロックを消して工場を脱出するアクションゲーム「paletter(パレッター)」(国際情報工科自動車学校)

 

タップでオブジェクトを回転させて光の道を作り、ゴールへ光を届けるパズルゲーム「COSMOS(コスモス)」(東北電子専門学校)

土管から出てくるオブジェクトをバー操作で仕分けてコンボを狙う落ちモノ仕分けゲーム「アソートファクトリー」(東北電子専門学校)

 

上から落ちてくるピースの中から自分の欲しいオブジェクトだけを選びつつ、対戦者のジャマもできるパネル×避けゲーム「落ち華(おちばな)」(仙台高専)

 

ステージ上にあるアイテムを取りながら形状を変え、敵のロボットに見つからないように制御装置を目指す3Dステルスゲーム「コピロボ」(国際情報工科自動車学校)

ジャイロコントローラーを操作して、浮遊感のあるドローンで廃墟を探索するアクションゲーム「ESCAPE RUINS(エスケープ・ルーインズ)」(ヒューマンアカデミー仙台校)

ライトを操って「影」を作り、その影からできたオブジェクトで道を作り少女「イデア」を脱出させるアクションパズルゲーム「影道(シャドウ)」(国際情報工科自動車学校)

 

「偶然性」「第一欲求」を大切に

審査員陣は、出展作品のレベルが年々確実に上がっていることに触れながら、その分プロの基準で厳しくコメント。大橋さんは自社が開発した過去のゲームに触れながら「ロジックだけのゲームは、達成感があっても驚きがない。ヒットするには偶然性が必要で、『自分、天才なんじゃないか』と思える要素が欲しい」とアドバイス。

 

根岸さんは「『こうしたほうがいいけど、プログラマーがいない』という状況は起こる。ただ、お客さんはそんな事情を聞いてくれない。やりたいと思っていたことは、なんとしてもやらなくてはいけない」と現場を知るプロ視点のコメントを送った。

 

審査委員長の松山さんは、出展されたゲームの多くが、システムを構築することの部分を重視し、その前段階をおろそかにしていることを指摘。「面白いゲームには、いい気になれる瞬間がある。理屈じゃなく、とにかくやってみたいという『第一欲求』を大切にしてほしい」とエールを送った。

 

仙台の学生とフィンランドの学生が売上競う「GLS for Education部門」

 続いて行われた「GLS for Education」では、仙台の学生チーム4チームとオウル市の学生チーム2チームが競い合った。

悪夢の世界に迷い込んだ少女を救うために、キューブをつなげる3Dパズルゲーム「NIGHTMARE QUBE」

 

円を回転させてボールを反射させ、中心にいる敵を破壊するパズルゲーム「CuruCuruCrash」

 

盗賊のこどもが親分に認められるため、街の人たちからアイテムを盗む新感覚アクションゲーム「BRAVE THIEF」

 

日曜の夕方の憂鬱気分を吹き飛ばすべく、迫り来る月曜日を倒すタップゲーム「MONDAY」

 

フィンランド・オウル市の学生チーム「Oulu Game Lab」からは、ファンシーな見た目のキャラクターをタップで倒す一人称のダンジョン探索RPGゲーム「Fungeon Crawl」と、スケボーで街中を進み、コインを獲得するアクションゲーム「Shred ‘n’ Slam」がエントリーした。Oulu Game Labのチームは、フィンランドからビデオ通話で会場のプレゼンテーションに参加。国籍を超えて「面白いゲームを作る」という一つの目的のために意見を交換した。

 

優勝は「COSMOS」と「NIGHTMARE QUBE」

「GLS for Education部門」では、短期間で三万円を超える売り上げを獲得した「NIGHTMARE QUBE」が優勝。審査員特別賞には「Fungeon Crawl」が選ばれた。

 

「ゲーム部門」では、審査員全員からの評価を受けパズルゲーム「COSMOS(コスモス)」が優勝に輝き、賞金30万円と、豪華副賞が授与された。