「アツい東北の起業家が東京に集結!
 TOHOKU IGNITION DAY1開催しました」

9月28日、東北の起業家を東京に集めたイベント「TOHOKU IGNITION DAY1」が開催されました。
今回初開催となったこのイベントについて、レポートをお届けします!

TOHOKU IGNITIONとは?

TOHOKU IGNITIONとは、今の東北の「面白さ」や「多様性」を伝えるために、仙台市が2016年9月〜2017年1月に4回にわたって都内で開催するイベントです。

東北で面白い取り組みをしている起業家を東京に集め、毎回異なるテーマで開催します。

第1回のテーマはリノベーション。 
リノベーション、建築、不動産活用、エリアマネジメントなどに関わる東北の方をゲストとしてお招きしました。

会場となったのは、「アーツ千代田3331」。
実はここ、旧練成中学校をリノベーションして誕生したアートセンターなのです。
今回の「リノベーション」というテーマにぴったりの会場です。

(学校のイスが並び、温かい空間です)

気になるゲスト、モデレーターは?

今回のゲスト、モデレーターは、一体どんな方々だったのでしょうか?
ゲスト、モデレーター含め、5名のプロフィールをご紹介します。

株式会社花巻家守舎 代表取締役 小友 康広 氏

1983年花巻市の木材店の長男に生まれ、明治大学政治経済学部卒業後、東京のITベンチャー企業に就職、新事業立ち上げ、東証マザーズ上場、子会社の経営を経験し取締役に。その後実家にUターンし、小友木材店代表取締役に。2つの会社の経営に携わりながら、花巻家守舎を立ち上げる、究極のパラレルキャリアの持ち主。今年6月、惜しまれながら閉店した花巻市のマルカン百貨店の大食堂存続プロジェクトを企画し話題に。クラウドファンディングなどを使って資金調達に成功、来年にも復活させる見通し。そのほか、花巻駅前エリアの空きビルを改修し、入居した起業家の支援など、エリア全体を活性化する取り組みを行っている。

GUILD inc/iiD inc 代表取締役社長 本郷 紘一 氏

株式会社GUILD代表取締役社長、株式会社iiD代表取締役社長

25歳で起業、美容室やネイルサロン、飲食店経営のGUILDと、イベント企画会社iiDの2社を経営。
移動式コーヒーショップSENDAI COFFEE STANDで仙台の街角をおしゃれに彩る。一番住みやすいまちは仙台。海外進出にも視野に入れながら、仙台を面白く、おしゃれにするためビジネスで挑戦する連続起業家。

株式会社伊達の家守舎 代表取締役 岩間 友希 氏

(株)都市設計ディレクター、(株)伊達の家守舎代表

1983年生まれ。東京都出身。WEBコンサルティングサービス(株)キノトロープ・総合人材サービスの(株)インテリジェンスにて20代を過ごし、30代を節目に仙台に移住。公共建築物の設計を得意とする(株)都市設計のブランディング部門にて企業や地域に対するブランディングディレクションを行いながら、地域ならではの新しい働き方“パラレルキャリア”を目指し、2015年12月14日(株)伊達の家守舎を設立。

高野建設株式会社 代表取締役副社長 高野 裕之 氏

1980年 宮城県仙台市生まれ。東北学院大学教養学部卒業。 高野建設株式会社 代表取締役副社長/ルミグラフ クリエイティブディレクター/株式会社ミトカン取締役

東京で広告制作プロダクション勤務後、株式会社橋本店へ勤務。 2008年高野建設株式会社へ入社。 2015年高野建設に映像事業部ルミグラフとドローン研究&開発のインフラメンテナンス部を設立。

モデレーター

洞口文人 氏(仙台市 都市整備局 市街地整備調整課 技師)

仙台市のリノベーションまちづくり事業を担当して3年になる、仙台市のはみ出し(?)&名物行政マンです。民間とともに新しいことを実行するために役所内を動き回り、地域にある文化資源、培った生業と風景を大切にしています。

第1部 パネルディスカッション

19:00、いよいよ「TOHOKU IGNITION DAY1」が始まりました!

第1部はゲストによるパネルディスカッション。
テーマは、「東北のリノベーションと東北のチャンスについて」です。

まず開会に先立ち、本イベント主催者の仙台市経済局 杉田より挨拶をいたしました。

杉田:「震災後、仙台・東北では、志を持った挑戦者が増えてきており、仙台市としてもそのような方々を後押ししていきたいと考えています。
そこで今回のイベントを通して、仙台や東北について考える機会を持っていただき、できれば我々と一緒に東北の将来に向けて仲間を増やしていきたい。そのような想いで本イベントを開催するに至りました。」

続いて、パネルディスカッションのモデレーターである仙台市都市整備局市街地整備調整課技師 洞口文人さんより、仙台市が取り組むリノベーションまちづくりについて説明をいただきました。

洞口さん:「”リノベーション=建築の仕事”ではありません。あくまでも、都市経営課題を解決するための手法です。仙台の都市経営課題は、東北各地からせっかく優秀な学生が集まってきているのにも関わらず、そのほとんどが卒業後に県外に出てしまうことです。

そこで、仙台市が着目しているのが”リノベーションまちづくり”です。既存の資源を活用し、民間で新しい仙台のコンテンツを生み出していきたいと考えています。仙台には古い建物はもちろん、公園、公共施設、自然などたくさんの資源(宝物)があります。この宝物を活用することで、人の賑わいを作り、人口の流出を止める効果が期待されます。」

そして、いよいよゲスト4名が登場。
まずは、1人1人の自己紹介からプレゼンします。

(左から順にゲストの高野さん、本郷さん、小友さん、岩間さん、モデレーターの洞口さん)

ゲスト自己紹介

岩間さん:「私は建築設計の会社に所属しながら伊達の家守舎というまちづくり会社を経営しています。 もともと東京出身で、20代はバリバリOLをやっていました。しかし、30代手前で今後の人生を考えている時、宮城県の日本酒に出会い、日本酒が大好きで仙台へ移住してしまいました(笑)。 伊達の家守舎では、イベントなどを通して地下鉄東西線や定禅寺通りの活用方法を考える活動を進めており、プライベートでは、カメラ女子ピクニック隊という趣味の活動も充実させています。プライベートも仕事も、地元の人と仲良くなりながら楽しく行っています。」

小友さん:「現在は東京のITベンチャー会社と、岩手の家業である小友木材店、花巻家守舎の代表取締役を務めています。生活の1/3は東京、2/3は岩手といったように2重生活をしています。
花巻家守舎を立ち上げた理由は、東京のITベンチャーのように、地元の花巻市でも”チャレンジする大人が集まるまち”を目指し、東京に行った花巻出身者が地元に帰ってきやすい環境を作りたかったからです。 しかし、いざやってみたら東京以上に素晴らしい人材がたくさんおり、この人達と一緒に花巻家守舎を立ち上げました。私の祖父が建てたビルのリノベーションや、花巻の名物・マルカン大食堂の復活に向けて取り組んでいます。」

高野さん:「高野建設では、土木建設業に加えてクリエイティブ事業を立ち上げ、映像制作やフォトサービスを行っています。 また、ドローン事業では、丸森ドローンスクールを立ち上げ、宮城県丸森町全体をドローンフィールドにする予定です。フィールドとなる丸森町の課題は、広大な土地を有効活用できていないこと。2020年までに丸森町を”ドローンのまち”として完成させ、どんどん人を呼び込みたいと考えています。 仙南家守舎では、宮城県東部エリアの集団移転跡地の利活用方法を提案し、リノベーションまちづくりを進めています。ドローンスクールの拠点、丸森ドローンフィールドもリノベーションして作りました。 最後に、リノベーション&アウトドアショップ「 ヒ・グラシ」では、snow peakと高野建設がコラボし、仙台市に2店舗構えることになりました。”暮らしの中に火を”テーマに、主にアウトドア商品を扱っています。」

本郷さん:「25歳で起業し、GUILDというヘアサロン系列店、IIDというイベント企画会社を経営しています。本業は美容師なので、今でも週に2回はお客さんの髪を切っています。 IIDでは、”ELECTRIC ROUND SENDAI”という仙台のクラブ5つを貸し切って自由に行き来できる音楽フェスを開催しました。 また、昨年から”SENDAI COFFEE STAND”という自転車のコーヒー屋さんを開業し、現在では、古い物件をリノベーションして店を構えるまでになりました。仙台のマルシェで初めて出店した際は、一番長い列ができ、40分待ちにもなりました。 50万円で始めた行商が今では年商2000万円程の事業になり、まちづくりにもつながっています。このことから、町って偉い人が作るのではなく、町を使うプレイヤーが作る時代が始まっていることに気付きました。 その後は、公共空間の利活用として、さびれた公園を住民みんなできれいにしようとワークショップを行いました。自分たちでペンキ塗りをしたり、公園の中に図書館を作ったりすることで、そこに住む人々に愛着を持って公園を利用してもらうことにつながります。こんなふうに、美容師からリノベーションまちづくりまで、幅広く活動をしています。」

ゲスト4名の自己紹介が終わり、いよいよ本題のパネルディスカッションへ。

パネルディスカッションテーマ①「きっかけ」

洞口さん:「岩間さんは東京から移住してきて、なぜ伊達の家守舎を立ち上げることにしたのですか?」

岩間さん:「仙台について右も左も分からなかった移住当初、カメラ女子ピクニック隊という趣味の活動をしていました。 商店街を歩いていて、しかめ面のおじさんにカメラを向けてみたら、”ニカーッ”と笑ってくれたんです。 仙台は100万人都市と聞いていたけれど、小さくて温かみのあるまちだなと思い、仙台のことが大好きになりました。 伊達の家守舎の立ち上げたきっかけは、アイディアを実現するのに、周りが後押ししてくれてチャレンジできる環境があったから。 私にできるのかなという不安もありました。東京にいたころは、イベント等のまちに関することって偉い人やおしゃれな人が作るもので、自分は参加するだけだと思っていたので。 しかし仙台に来てからは、そういうことを一緒にする仲間もいるし、普段の仕事をしながらでもできちゃっている、という感じですね。」

洞口さん:「続いて、高野さん。特にドローン事業が注目を集めていますが、始めたきっかけを教えてください。」

高野さん:「きっかけは、会社の担い手を呼び込むためです。ただでさえ人口減少が進む中で、特に建設業界ってなかなか若者に来てもらえないんですよね。今後の会社運営を考えた結果、ドローンが有効なのではないかと考えました。 中小企業だったとしても、いろいろなテクノロジーに触れることはできます。だから、リスクをとってやっていくことが必要だし、先にやったもん勝ちだとも思います。社運も人生もかけていますが、そんなに莫大な投資ではないし、すぐ手に届くことをみなさんに伝えたいです。」

パネルディスカッションテーマ②「都市圏」

洞口さん:「東北地方にいると”都市圏”という概念があまりありませんが、東北でも東京のような都市圏と同じくらい活躍されている人がたくさんいると思います。それについてどう思われますか?」

(ここに都市圏のスライドを挿入予定です)

高野さん:「自分自身、仙台市や丸森町など複数の市町村で仕事をしているので、行政管轄で物事をとらえる時代は終わったのかなと感じています。みんな市町村という行政区域にとらわれていますが、これからは市町村を超えてエリアでの発展を考えるべきだと思っています。 また、田舎者だからダサいとかいうことはなく、地方の人はみんな輝いています。最近では、地元を盛り上げたいという意欲を持った学生が名乗り出てくれて、一緒に活動をしています。」

洞口さん:「本郷さんはいかがでしょうか?」

本郷さん:「先日、全米の住みたいまちランキング第1位のポートランドに視察に行ってきました。都市開発が成功したまちとも言われています。 そこでは、チェーン店がほとんどなく、地元の人は地元の商店でなんでも買うのが当たり前でした。ポートランド人はローカル志向が強いし、地元愛も強い。仙台もいつかそうなるように、自分も活動をしていきたいですね。」

パネルディスカッションテーマ③「東北」

洞口さん:「今後どんどん人口現象が進む東北ですが、その分ますます魅力的になっていかなければいけないと思います。そこで、今後の東北の未来はどんな風になっていったら良いと思いますか?」

小友さん:「今後の将来を考えたうえで今の東北に必要なのは、“経営”と“テクノロジー”の2つではないかと思います。 “経営”の視点から言うと、東北の人々は能力があるのに、自分でそれに気づいていなかったり、周りの人もその能力をうまく活用できていないと感じます。 “テクノロジー”の視点から言うと、インターネットやドローンなど、新しいテクノロジーをもっと活用していけたらと思います。うちの小友木材店でも、低コストや安全性を叶えるうえで、ドローンを林業に活用していけたらいいなと構想中です。
東北には人も環境も地域資源もたくさんあります。 “経営”と”テクノロジー”の2つが改善されていけば、“カフェを経営しながら林業を副業にする”であったり、”東京のIT会社で働きながら実家の家業も継ぐ”というような新しい働き方が実現されていくと思いますし、どんどん増やしていけたらいいなと思います。」

岩間さん:「私は宮城県塩釜市がきっかけで仙台に移住してきましたが、最初は“道が広い”“人がいない”という印象でした。
その一方で、仙台は周辺地域からおいしい食材が集まってくることが魅力だと思います。仙台駅前に朝市があるのですが、新鮮な野菜や海の幸、山の幸が全部揃っているんです。移住のきっかけになるくらい日本酒も最高においしいですし。 また、仙台は広い道路が整備されています。「活用しないのはもったいないよね」「じゃあお前やっちゃいなよ」というように、誰でもすぐに実行に移せる環境があることも魅力です。 ですが、東北の課題は”みんな意外と自分の県のことしか知らないこと”。これからは、東北6県が一丸となってやっていかないと、たくさんの人に来てもらえないと思っています。」

高野さん:「私は、今後の東北を良くしていくためには2つのことが必要だと思います。
まず1つ目は、“上場企業を増やし、中間所得層を増やすこと”。そうしないと、将来の東北を担う若者が来ないし、働く場所がないし、稼げないからです。 また、東北の内需はピークアウトしているので東北圏外からの消費を増やす以外に道は無い。
次に2つ目は、“外の人にもアピールできるようなコンテンツを生み出すこと”。例えば、東北にはおいしい食材もそれを生産する人もたくさんいます。しかし、それを東北のコンテンツとして加工できる人が少なく、もったいないと感じています。食材だけに限りませんが、そんな風に東北は外の人にアピールできるコンテンツを生み出す力が低いと感じます。また、それを生み出すために、10年かけて取り組むのでは遅くて、“1年後にはカタチにする”くらい早急に進めていかないといけないと思います。」

本郷さん:「僕は東北だけに捉われず、東北から全国、海外まで視野に入れています。
まず東北では、SENDAI COFFEE STANDをやっていますが、コーヒーマニアの方は東北6県のいろいろなカフェを巡っていることが分かりました。そこで、山形のコーヒー屋さん”BOTA coffee”と提携し、互いのコーヒーをどちらでも提供できるようにしてみました。そしたら、”おいしかったから実際に山形(仙台)に行ってみた”という方々が現れたのです。 それを知って、「じゃあコーヒーフェスを開催して、東北だけでなく全国とつなげてみよう」と思い、実際に来月仙台で”Tohoku Coffee Stand Fes’2016”というイベントを行います。

さらに海外では、明日からニューヨークに行ってグルメフェスに出店してきます。僕自身、美容師やコーヒーに関してそこで修行していたこともあったので、大きな影響を受けました。しかし、現状はニューヨークからノウハウを持ってきているだけです。今後は日本からニューヨークに何か持っていきたいと考えたときに、“お茶漬け”を思いつきました。それでフードフェスに応募したところ、見事合格。“SENDAI COFFEE STANDならぬ、JAPAN CHADUKE STAND”を立ち上げました。さらに現地の方からは、「4週連続で出店してほしい」「ニューヨークマガジンの取材を受けてほしい」などと大きな注目をいただいています。
こんな風に、“東北”という枠に捉われすぎないことも大事だと思います。」

第1部の締めくくりは、参加者の方からの質問タイム。

参加者の方:「仙台は緑が豊かとか、食べ物がおいしいとか、みなさんのお話を聞いていてよく分かりました。しかし、東京から見た仙台は地方都市の一つであり、特別な存在ではありません。洞口さんが個人的に思う仙台市の魅力とは何ですか?」

洞口さん:「仙台は“空間の使い方”がとても上手なまちだと思います。例えば、今日お話にあった岩間さんの“定禅寺通りを利活用するイベント”であったり、本郷さんの“公園のリノベーションワークショップ”であったり。 仙台は観光に向いているまちとは言い難いですが、こんな風に公共空間が素敵に使われているので、長く住んでいて居心地よいことが魅力なのではないかなと思います。」

これにて、第1部が終了。
会場からの大きな拍手に包まれました。

第2部 懇親会

第1部が終了後、第2部として懇親会がスタートしました。

ここからは、ゲストも参加者もスタッフも入り混じっての交流です。

そして今回の料理は、秋田県がテーマ!
かつてB1グランプリに輝いた横手焼きそばと日本酒が振舞われました。

(太い麺と濃いソース、目玉焼きが特徴です)

(秋田の地酒。5種類も飲み比べができます)

参加者にとっては、ゲストの起業家とも1対1でお話できる貴重な機会。
小友さんの近くには参加者の列ができ、代わる代わる会話を楽しんでいる様子が見られました。

(参加者一人一人とお話する小友さん)

また、参加者の多くは東北にゆかりがある方が多く、終始”東北トーク”で盛り上がっていました。
中には自分の地元に何度も足を運んでくれる方だったり、共通の知り合いを発見したりと、会場のあちこちで会話が弾んでいるようでした。

参加者の声は?

今回初開催のこのイベント。
参加者の皆さんにとってはどんなイベントになったのでしょうか?

感想を伺ってみたところ、
「東北には面白い起業家がたくさんいると初めて知った」
「仙台の行政の方がどのような思いを持っているのかも分かった」
「仙台、東北の面白さや魅力が伝わった」
「まちづくり事業のスピード感や可能性について知れた」
などという声を聴くことができました!

さらに、事後アンケートでは、ほとんどの方に「また参加したい」と回答していただきました。
ぜひ、次回の参加もお待ちしております!