TOHOKU IGNITION DAY1 イベントレポート

9月20日(水)、東北で輝く起業家が東京に集まり熱を伝えるイベント「TOHOKU IGNITION DAY1」が開催されました。


昨年からさらにグレードアップしたこのイベントについてレポートをお届けします!

 

TOHOKU IGNITIONとは。

TOHOKU IGNITIONとは、今の東北の「面白さ」や「多様性」を伝えるために、仙台市が2017年9月〜2017年12月に4回にわたって都内で開催するイベントです。東北で先進的な取り組みをしている第一線の起業家の方々に東京に集まって頂き、毎回異なるテーマで開催しています。

第1回のテーマは”食と一次産業”。


震災後、東北地方の一次産業では様々な挑戦が始まっています。

 

今回は、”食と一次産業”に関係する事業を立ち上げた東北の起業家3名をゲストにお呼びして、アツく語って頂きました。

 

第一部 パネルディスカッション

開会に先立ち、仙台市経済局産業政策部地域産業支援課 起業支援担当主事の今野よりイベント趣旨について説明いただきました。 

そして、今回のモデレーターの一般社団法人Impact Foundation Japanの竹川にマイクが渡り、パネルディスカッションスタートです。

竹川:「今回は、まさに東北の強みとも言える”食と一次産業”と言う分野に携わる3人のゲストの方にお越しいただきました。それでは、早速ゲストの方にお越しいただきましょう。皆さま、拍手でお迎えください!」

 

自己紹介

 

矢野さん:「私は秋田県で秋田の日本酒と果物をセットにした『Fruitreat』という商品を販売する通販事業を行なっています。祖父母がもともと秋田の出身でしたが、私自身は秋田といえば、小さい頃お盆に遊びに行っていた場所という程度のイメージでした。しかし、3年前祖母がなくなったことをきっかけに秋田の魅力に気づきました。自分が経営などを学んでいたこともあって「秋田でビジネスをしてみたい」と思い、起業したと言う経緯です。

このサービスは、通販にも関わらず日時を指定することも好みで選ぶこともできず、勝手に送りつけられるという変わったサービスです。私たちは東京で季節を感じる余裕もなく忙しく働かれているような方々へ、”月に一度の旬美体験”を味わっていただきたい思いでこの事業に取り組んでいます。」

 

※株式会社秋田ことづくり さんの詳細はこちらから!

岩佐さん:「私は、宮城県山元町というところでITを活用した高品質なイチゴ生産を行なっています。

元々は東京で働いていたのですが、震災を機に「どんな地域でもグローバルレベルで勝負できる産業があればその地域は再び栄えるのではないか」という仮説のもと、株式会社GRAを設立しました。私たちは農業従事者の熟練の技に、最先端のITの力を組み合わせてデータを徹底的に収集することで、1粒1000円の高級イチゴブランド『ミガキイチゴ』を開発したり、技術習得にかかる修行期間を大幅に短縮することに成功しました。

現在ではインドでのフランチャイズ経営にも挑戦しており、まさにグローバルレベルで勝負しています。こういった活動を通して、地域住民が山元町に対して誇りを持ってくれるようになってきて、僕たちとしては今後ますます頑張らなくてはいけないなと意気込んでいます。」

 

※株式会社GRA さんの詳細はこちらから!

廣田さん:「私は福島県の二本松市で、農産物の生産・加工・流通・飲食・小売・企画・デザインまでの一貫体制を取ることで、生産者の方々と市場を繋ぐ会社を運営しております。東北には本当に熱心で魅力的な生産者の方々がたくさんいらっしゃいますが、そういう方ほど、まだまだ発信下手だったりします。そこで私たちが少しお手伝いすることで、生産者の方々の再生産を支えられればとの想いでこの事業をはじめました。現在日本は、極少数の生産者が多数の消費者を支えるという非常に歪んだ社会構造になっています。そこで、私たちはその歪みを少しでも和らげ、農業をより価値ある産業にすることを目標にしています。ぜひ今日は他のゲストの方々と一緒に、有意義な時間にできればと思いますので、よろしくお願いいたします。」

 

株式会社GNS さんの詳細についてはこちらから!

 

パネルディスカッションテーマ①「あなたのビジネスの一番の強みはなんですか」

竹川:「自己紹介いただいたところで早速パネルディスカッションに移っていきたいと思います。

まず一つ目の質問ですが、ズバリみなさんが取り組んでいらっしゃるビジネスにおける”ウリ”や”強み”とは何でしょうか?」

矢野さん:「地域資源を磨き上げることで地域の”資産”に昇華させていることです。果物も日本酒ももちろんすでに秋田には存在したものですが、掛け合わせることで単に「美味しいものあるよ」ではなく組み合わせの妙やストーリーを表現して付加価値をつけ、しっかりとお金を稼ぐことのできる製品(=資産)にしていきたいという想いで取り組んでいます。」

竹川:「矢野さんはもともとエンジニアでいらっしゃいますよね?この通販は元エンジニアさんが思いついたとは思えないほど、システマチックではないサービスだと思うのですが、どういったところでこの事業を思いついたのですか?」

 

矢野さん;「私自身がターゲット像のど真ん中、つまり季節を感じる余裕もなくカップラーメンを食べながらとにかく働き続けるという生活だったというのが正直なところですね。そういった過去の自分の経験があったからこそ、秋田の食材をお送りすることで少しでも季節や旬を感じて欲しいと思いました。」

 

竹川:「なるほど。次に廣田さんは事業の強みについてはいかがですか?」

廣田さん:「私たちが携わっている農業をはじめとする一次産業は”ものづくり”の業界だと言われています。しかし、現代社会はそこに体験やストーリーなどの付加価値を追加した”ことづくり”が求められています。そういった中で、生産者の方々が苦手としている販路や資金の面で私たちがお手伝いさせていただき、生産者の方々と一緒に農産物の”ことづくり化”を手伝うことができるのが、ウリだと思います。」

 

パネルディスカッションテーマ②「東北の強みとは?」

 

竹川:「今度はビジネスとは少し離れた質問をして見たいと思います。みなさんが実際に東北でビジネスに取り組む中で改めて気づいた東北の強みとはなんでしょうか?」

 

廣田さん:「東北の魅力はやはり、人ですね。発信下手な人が多くてみなさんはご存知じゃないかも知れませんが、東北は面白い生産者さんがたくさんいます。冬場に糖度がすごく高いトマトを栽培しているおじさんとか、26歳でキャベツを作りまくっている女の子とか。僕たちも、福島だけに限らず東北中にいらっしゃるユニークな生産者をSNSなどで発信していまして、そう言った活動を通して、少しでもみなさんの共感を呼ぶことができたらと考えています。」

岩佐さん:「自然が豊かなことは言わずもがなですが、そういった環境で自然と戯れながら働くことができるのも強みの一つだと思いますよ。私は実際、この季節には朝一で海へ行ってサーフィンをしてから出勤なんていう、なんとも贅沢なワークスタイル・ライフスタイルを送っています(笑)

あとは東北の中でも本当の奥地に行くと、あまりにも人の交流がない地域がまだあるんです。そういった地域は独自の文化や伝統がまだ残っていて、本当の意味での日本の秘境というブランディングをしていけることも、立地の悪い東北ならではかもしれません。」

 

パネルディスカッションテーマ③「地域でビジネスする中で大切にしていること」

 

竹川さん:「最後に3点目、みなさんがそれぞれ地域でビジネスする上で大切にしていること。お聞かせください。」

矢野さん:「私が1年間ビジネスをする中で強く意識するようになったのは、営利から逃げないということです。地域活性や地方創生という分野には評価指標がないため、楽しければいいやという雰囲気がどうしてもあります。

みんなでチームを組んで、楽しいことをやっていくこと自体はすごく大事なことだと思いますが、一方でそれを隠れ蓑にしてはいけないなと思っています。私はしっかりと利益を出して雇用を生み納税することこそが本当の地域活性だと思っているので、しっかりと営利にこだわって事業に取り組んでいます。」

 

廣田さん:「矢野さんのおっしゃる通りですね。日本で1次産業が衰退したのは、まさに利益をしっかり出すことができなくなった結果、再生産していくことができなくなったからだと言われています。1次産業を儲かる仕事にするために引き続き活動していきたいと思っています。」

 

岩佐さん:「他のお二人と切り口は違いますが、僕はこれからの時代、『日本の中での自分たちの住む地域』という考え方は少し危険だと考えています。なぜなら、日本は中長期的に見れば経済は縮小していて、2050年にはGDPは800兆円、中国は4000兆円と言われているのでこの差は歴然としています。こんな状況では、縮小している日本の中の地域と捉えるのではなく、より視野を広げ『世界の中で私たちの住む地域をどう位置づけるか』と考えることが大事なのかなと考えています。」

 

会場から質問

 

竹川さん:「それではここで参加者のみなさんからも質問を受け付けたいと思います。何か質問はございますか?」

参加者:「お話を伺っていて、やはりみなさん理念をしっかり持って活動なされていると思うのですが、理念と理論について、どのようなイメージを持ってバランスを取られていますか?」

 

竹川さん:「廣田さん、いかがでしょうか?」

廣田さん:「難しい質問ですが、私は理論やロジックはハコで、そこに理念や想いを入れ込んで行くというイメージでいます。それでいうと、ロジックでハコは作れてもそこに魂を入れることはできないんですよね。なので、極端な話、私は経営者としては、軸となる理念をしっかり持って「ハコは誰かがロジックで埋めてくれるだろう!」くらいの心持ちでいますね。」

 

竹川さん:「ありがとうございます。残念ながらいよいよお時間ということで、それではラストメッセージをいただきたいと思いますが、今回は岩佐さんにお願いいたします。」

岩佐さん:「僕たちも多くの仲間とやっていく中で感じているのは、やはり挑戦をすることが大事だということです。失敗をすることは全く罪ではないと思いますが、せっかく生きているのに挑戦しないことは結構な罪だと思っているんですよね。

だからこそ、これからもみなさんと一緒に挑戦して、失敗してもいいじゃないという雰囲気を作っていければいいなと思います。そして挑戦にうってつけなのがイチゴ農家だと思っておりますので、ぜひ一緒イチゴをやりましょう(笑)。」

 

竹川さん:「素敵なアツいメッセージをありがとうございました。それでは皆さん、ゲストの方々に大きな拍手をお願いします!」

 

第二部 懇親会

 

第二部は懇親会。昨年度に引き続き、東北中の美味しいものが集まりました!

また、今回は「食」がテーマということで、ゲストの方々の商品をお持ちいただきました。

 

まずは、矢野さんにお持ちいただいた秋田の日本酒と季節の桃。

岩佐さんからは、ミガキイチゴを使ったスパークリングワイン”ムスー”。

 

そして廣田さんの取り扱う製品の一つでご飯や野菜に乗せて食べるオイル、”EAT!OIL”をお持ちいただきました!

参加者がゲストの方々と一対一でお話しできる貴重な機会。あちこちで名刺交換や、熱い議論が交わされていました。

 

非常に盛り上がり最後は一本締めで終了。参加者の皆さんも帰りを惜しむ姿が多々見られました。

終わりに

 

いかがでしたか?

今回も大いに盛り上がったこのイベントですが、12月まで全4回実施いたします。

次回以降も東北で輝く、アツい起業家の方々をお呼びする予定です。

今回参加された方も参加できなかった方もぜひ、奮ってご参加ください!