TOHOKU IGNITION DAY1 学生特派員レポート

TOHOKU IGNITION 2017では、仙台・東北在住の学生に往復の交通費をお支払いして、本イベントに「学生特派員」として参加していただきます。

普段、身近で聞いている東北の起業家の話や、当たり前に過ごしている東北の生活について改めて東京で聞くことで、新しい気づきがうまれることを期待しています。

東北の起業家の話を東京で聞き、学生特派員は「何を感じ」・「何を考えたのか」こちらでレポートを掲載いたします。

 

【9/20 TOHOKU IGNITION DAY1 レポート】

学生特派員:赤松 七夕子

 

今、私は「伝える」という難しさに直面しています。

私は2016年6月-10月まで、NPO法人東北開墾のインターンをしました。

 

東北開墾では、東北食べる通信を発行しています。食べる通信は毎月生産者を特集し、生産物を付録にする情報誌をつくっていました。多くの生産者に出会い、それぞれの深い想いを知り、おいしものを食べる中で、生産者の深い想いを、もっと学生に知ってほしいと思うようになりました。

 

スーパーに牛乳を買いに行きます。この値段の差はなんでしょうか?

お弁当を買いに行きます。どうしてこんなに安いのでしょうか?

 

値段の違い・安さの理由を深く考えたことがありますか?

この値段の差が、生産者のこだわりや思いの分だと知れば消費者の選択肢は変わるのでしょうか。健康志向が高まる昨今。オーガニックや無農薬のものがいいことはわかります。

でも、値段が高いです。特に学生にとって食費にあてる額は限られています。そんな学生の選択を、想いを伝えることで変えることができるのでしょうか?

 

私には正解はわかりません。 

 

ただ、私は生産者の想いを一人でも多くの学生に伝えたい。伝えることで、何かが変わるのではないかと考えています。

 

しかし、思いを届けるということは簡単ではありません。文章を考えたり、見せ方を工夫したり、イベントを開いたり。どうすれば多くの人にしっかりと伝わる(響く)のでしょうか?

 

ずっと悩んでいました。 

 

そんなタイミングでこのイベントに参加することになり、何かヒントが得られるのではないか。わくわくと不安が混在する気持ちのなか、今回TOHOKU IGNITION DAY1の会場に向かいました。

 

 

東北から始まる『食と一次産業』のイノベーション

私は、生まれも育ちも愛媛県です。

 

暖かい土地でぬくぬくと過ごし、みんなと同じように受験をし、大学生になりました。学生という身分を使って自分が好きなこと、共感することなど赴くままに足を動かしていると、たくさんの点が生まれてきました。たくさんの点はあるけれど、まだ繋がったわけではありません。しかし、「一次産業」というキーワードは、私の中で大きく占めています。

 

東北という地で「食と一次産業」をテーマに活躍されている、矢野さん、廣田さん、岩佐さん。今回は、3人のお話を聞いたうえで、私が感じたことをお伝えしていきます。

 

※ イベント詳細については、こちらの記事をご確認ください。

 

心に残ったコメント ① 「デザインしてみる」(廣田さんのコメントです。)

 

「ものには自信があるけれど売り方がわからない。」

目の前にこんなにもおいしい生産物と、それをつくっている生産者がいるのに。あぁもったいない。みんな知らないなんてもったいない。

 

そう感じてしまうときがあります。

 

生産者の中には、スター性がある人もいます。そういう方たちは自ら率先して情報を発信したり、人を巻き込んだりすることがとても上手です。

しかし苦手だという生産者がいることも事実。技術や思いはあるのに、「ノウハウがない。」「販路がない。」「資金がない。」この3つの「ない」が生まれてしまう。しかも、180万人の生産者が1億2千万人の消費者を支えている現在、これでは需要と供給のバランスが崩れていくばかりです。

 

だからこそ付加価値をつけなければならない。パッケージのデザインや広告のデザイン。デザインにはとても大きな力があります。フォトジェニック(=写真映え)という言葉を最近よく使うようになりましたが、若い世代に伝えるためには、デザインはなくてはならないもの。そうなりつつあります。

 

心に残ったコメント ② 「営利から逃げない」(矢野さんのコメントです。)

 

デザインが良くても売れなければ意味がありません。しかし、お金の話をするとなんだか欲深いように感じてしまいます。

それは私がまだ、お金のまわる仕組みや利益の生み方を十分に知らないからかもしれません。学生である私はついつい理想ばかりを追い求めてしまいがちですが、なにかを起こそうとするとやはり、お金という壁が立ちはだかってきます。シビアな部分だからこそ、しっかりそこに目を向けなければない。利益を生み出してこそ、思いも形にすることができるのです。

「どうしたら、学生に伝わるの?」思いを形にするためには。

 

イベントを通して、私がやりたいこと、伝えたいことを改めて考えてみました。

 

私がこれからやろうとしていること。それは、「生産者の思いを学生に伝えること。」です。

食べることは、毎日の繰り返しで当たり前になってしまいがちですが、一度見直してみる、考えてみる時間も必要です。そのきっかけをつくり、私もみんなと一緒に考えていきたいと思うのです。一人で何日も考えて答えが出ないことも、何人か集まることで答えが見えてくるときがあります。東北の農業の問題点とは?生産者と消費者の距離は?など、自分たちの目線で捉え、課題解決していこうとする学生を、東北に増やしていきたいのです。

 

だからこそ、思いを形にする、伝えるには?と悩み、失敗し、試行錯誤を繰り返しています。

イベントを行ったことによって、お三方の思いが私たちに伝わる。そして、私がレポートを書くことによって読み手にも思いが伝わります。

 

伝えるということは、共有していくことなのだと思います。継続しなければならないし、地道なことです。

 

まずは私の目の前にいる人から思いを伝える。

思いの連鎖が始まるのはそこからなのかもしれません。

 

 

赤松七夕子

宮城大学食産業学部ファームビジネス学科2年WWOOF(ウーフ)という農業ボランティアをきっかけに農業に興味を持つようになる。NIPPON TABERU TIMES(学生が生産者の思いを伝えるウェブメディア)編集部所属。食、デザイン、子ども教育を軸に活動している。