SENDAI for Startups! ビジネスグランプリ2017
受賞者インタビュー
社会起業家特別賞
株式会社フェニックスエレメント 貴田義人さん

2017年2月5日のファイナルイベントで幕を閉じたビジネスグランプリ2017。
当日のプレゼンテーションだけではお伝えできなかった各受賞プランの内容とその背景、受賞者の起業への思いなどをお伝えします。
グランプリ大賞、優秀賞、各特別賞に輝いた受賞者たちに、自社事業の強み、起業までの道のり、そして今後の展望についてお話を伺いました。

——「ちょ筋ばこ」「ステップメイト」という2つの事業の特色を教えてください。

運動訓練・機能訓練に特化したデイサービス「ちょ筋ばこ」は、国家資格の柔道整復師がスキルを生かして行っていることが一番の強みです。機能訓練特化型デイサービスというのは他にもありますが、筋トレマシンが設置されているだけということも多い。うちは理学療法機器を使ったマッサージやストレッチを行い、シニアの機能訓練、リハビリに特化しているのが特徴です。「ピンピンコロリ」を目標に足腰をしっかり保つための運動をしてもらっています。

放課後児童デイサービス「ステップメイト」も、同様のサービスを展開する同業他社には「児童をお預かりすれば十分」と考える事業者もいますが、そこにスポーツの楽しさを付加しているところが独自の強みです。発達障がいのある子どもは、学校の体育授業では安全性の面から限られたことしかさせてもらえず、スポーツクラブでも断られてしまいます。そうしたニーズに対応できるサービスがこれまで存在していませんでした。

普通は特化すると対象が狭まるので事業として成り立たせるのは難しいのですが、上記2つを組み合わせたというのがポイントです。午前と午後でそれぞれ別の層を対象にしているので、事業継続のベースとなる収益を補い合えるというのが独自のビジネスモデルだと思います。

 

——本事業を始めた経緯をお聞かせいただけますか

接骨院を営む傍ら、そのノウハウを活用してシナジーのある別の事業を展開できないかと考えていました。そんな中、東日本大震災があり、仮設住宅で暮らすことになった方と久しぶりにお会いした時、別人のように衰えてしまっているのを目にしました。以前は広い家に住んで家のことをあれこれやって体のあちこちが痛いと言っていた方たちが、閉じこもって虚弱になってしまっている。そういう方たちのために、民家を用いた少人数制の泊まれるデイサービスを始めました。

 

3〜4年たって介護の人手不足が顕著になったこともあり、そちらはいったん閉めて「ちょ筋ばこ」を立ち上げました。ただ、高齢者の方は暗くなるとあまり活動しなくなり、午前は集まるが午後の集客は難しいということを同業者から聞いていました。では夕方は誰が一番来やすいかと考えたときに浮かんだのが小学生。スタッフに障がい者施設に勤務した経験のある者がいたので、夕方は小学生の支援に当てることを組み合わせてみました。

最初に民家型のデイサービスで福祉事業に参入した時、異業種に入っていくことの難しさを痛感したのがいい経験になりました。資金調達の苦労や、いかに人材を確保するか、異なる分野の人とどう協力するか、周知のためにどういう広報活動が必要かなど、得た教訓が多くあります。その経験がなければいまの事業でもっと苦労したかもしれません。

 

——今後の展望と、それに向けて一緒に取り組みたいビジネスパートナーは

いま展開しているビジネスは現場でかじを取ってくれるスタッフがいるので彼に頑張ってもらおうと思っています。個人的には、いま施設が稼働していない土日を使ったプログラミング教室を考えています。小学校でプログラミングが必修化されるかもしれないという話も出ていますが、まだまだこちらの地域にはなじみがない。地方だから遅れているということを無くしたいので、そういったことも模索していきたいと思います。

何かと何かを組み合わせるとイノベーションが生まれることがあります。今回も接骨と介護、接骨と児童というところで新しいものができました。ですので、まったくの異業種の方とも話しているうちに何か見つかるかもしれません。ビジネスをやろうと堅苦しく考えず、言っていることが面白いから一緒にご飯でも食べて話してみようかと、人として興味を持ってもらえればと思います。

私は、自分と周囲の方を「未来にワクワクさせる」という志を持っています。そのことに共感いただける方とは、業種を問わず垣根を越えてスクラム組んでいきたいですね。

株式会社フェニックスエレメントについて

株式会社フェニックスエレメント
代表取締役 貴田義人さん
設立時期:2012年4月
事業内容:整骨院・通所介護・放課後等児童デイサービス
所在地:東松島市矢本河戸342-2
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