
———自己紹介をお願いします!
松田文登:代表取締役副社長。チーフ・オペレーティング・オフィサー。大手ゼネコン会社で被災地の再建に従事、その後、双子の松田崇弥と共にへラルボニー設立。自社事業の実行計画及び営業を統括するヘラルボニーのマネジメント担当。岩手在住。双子の兄。日本を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」受賞。
———事業の説明をお願いします
松田文登:日本全国にはアートに特化した福祉施設がたくさんあります。私たちは全国の福祉施設とアートのライセンス契約を結ばせてもらい、知的障害のあるアーティストのアート作品を通じて、さまざまなモノやコト、バショに落としこんでいきます。アートというフィルターを通して知的障害のある人との出会いを作ることで、障害のある方々に対する世間のイメージを根本的に変えることを目指しています。

———起業したきっかけを教えてください
松田文登:なぜ私たちが岩手で創業したかというと、自分たちは花巻市にある、るんびにい美術館からスタートしたのだという気持ちもありました。そうした私たちの初心やアイデンティティを忘れたくない、という意味合いを込めて、2018年に岩手県花巻市からヘラルボニーを始めました。今は岩手県盛岡市に本社登記があり、4月末からギャラリーをオープンする予定です。
———今後の展望、やっていきたいことを教えてください
松田文登:ヘラルボニーは日常に障害のあるアーティストのアートが当たり前のように入ってくる社会を目指すためライフスタイルブランドになっていきます。
将来的にヘラルボニーが社会側の意識を変えたあとは「障害のある当事者の生き方を変えていく」そんな障害福祉のインフラ的な存在になっていきたいのです。
———これから東北で起業を考えている人にアドバイスをお願いいたします
松田文登:東北や地方で起業するのは大きなベネフィットになると思っています。ビジネスの大きさだけを求めるならば東京に集中した方がいいのかもしれませんが、あえて地方ローカルから発信することに意味があると思っています。「ヘラルボニーは岩手発」というのを、岩手という場所に機能として持たせたい。「障害のあるアーティストのクリエイティブエージェンシーが岩手・盛岡にある」と世間に認知されることを目指したいんです。それが結果的に東京では出せないブランド力になると思っています。